『三毒史』/椎名林檎
いやこれ椎名林檎に慣れてないと出だしの『鳥と蛇と豚』から癖が強すぎるのでは?
みたいなところあるよね。よい。 一見さんお断りして世界を叩きつけてくる感じ、『加爾基 精液 栗ノ花』に通じるところがあると思う。 中に入ってしまった側としては案外キャッチーなものが多い印象。毒にやられているから?
宇多田さんが光の楽曲を作っているから安心してこれを作れた、という旨のことを林檎さんがいっていたと思うのだが、納得のぶっちぎり感。 逆に宇多田さんの方は未聴なので、光の楽曲を求めに?きいてみようかな...。
林檎歴は東京事変で止まっていたのですが、「椎名林檎と〜」名義でやってる楽曲はお祭り感あってやっぱりいいです。 色んな人のカラーを取り入れながらアルバム全体として一曲かのように通して聞けるの本当すごいなあ。 すごい派手な色柄が集まってて破綻していない洋服みているような感覚。着物かな。
『マ・シェリ』が良いよ
music.apple.com楽器隊が東京事変。というだけで最高。
歌詞が良いです。他者に話しかけているのか自己に話しかけているのか、鏡の存在によってわけがわからなくなり、最後の転調から先は自他の区別すらわけわからなくなっていく。他者なんてはじめから幻かもしれないし、全て他者に話しているのかもしれない。私では無い私の話かもしれない。私たち似てるね、で終わっているのか?私と裏の私が似てるのか?わからないまま何もかも一体化してぐるぐる...としていく煙に巻かれる感じが良いです。 自己という「最大級の謎」の話なのでそういうわからなさこそが真摯な態度だと思うのです。
『神様、仏様』と『Asobi』の話
アルバム初出曲じゃ無いけど『神様、仏様』の向井秀徳は最高だと思います。好きです。
「繰り返される諸行は無常 それでもやっぱり蘇る 性的衝動」ってむちゃ言いたくなるよね。
「遊びたいのよ 誰ぞ好い人と〜」からの林檎さんの歌い方も最高。地獄の淵へ突き落としておくれ。MVの当該部分も好き。
この曲、ZAZEN4の『Asobi』と同じテーマの歌詞だと思うのです。 こちらはより感傷強め。遊び足りない、満たされないし、その瞬間だけ最高に楽しんでいる瞬間の前者と、遊んだ後の寂しさや虚無感の時間と空間が意識できる後者と、どちらも好き。
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